Krita 2.9.11 での話。sirokiri :: Blender と Krita のカラーマネジメントで見た状況から特に実情は変わっていないのだが、件の記事はなかなか冗長になってしまっているので、改めて krita のカラマネで何を問題視していたのか確認しておくと、

  • カラープロファイルを持たないファイルを開く際、強制的に【sRGB-elle-V2-srgbtrc】というカラープロファイルが割り当てられる
  • そのようにして開かれた画像に対して、手動で正しいプロファイルを再指定する手段がない

という二点。Krita も当時からバージョンが上がっているが、v2.9.11 現在もこれらの問題は放置されている。

カラーマネジメント非対応のソフトで作った画像ファイルをカラマネ対応ソフトに持っていくなら、最初はモニタープロファイルを割り当てるべきだし、WEB で拾った画像なら【sRGB IEC61966-2.1】を試してみるのがスジだろう。しかし Krita には前述の不具合がある。『カラープロファイルが失われてはいるものの、どのプロファイルを割り当てるべきかが判っている画像ファイル』を正しく扱うことは、たぶん Krita にはまだできない。<それ Gimp でできるよ!

もういっこ気になること

Krita 2.9.11 で、カラープロファイル【sRGB IEC61966-2.1】の PNG を保存すると、実際に出来上がる PNG には【sRGB-elle-V2-srgbtrc】が埋め込まれる(おそらく 2.9.9 あたりまではこんな仕様ではなかった)。ちょいちょい気になってたけどこいつはいったい何なんだ。

Krita のカラースペースブラウザーから【sRGB-elle-V2-srgbtrc】の説明を眺める分には、どうも割と優れたプロファイルであるような気がしてくる(英語読めない)。『sRGB の変わりに使っても大丈夫だよ!』的なことを言ってるような。ただ、まったく何の説明もなしにバックグラウンドでこういう振る舞いをするのは勘弁してほしい。

ついでに、AdobeRGB など sRGB でないプロファイルのまま PNG や JPG で保存しようとすると、保存時のダイアログで『sRGB に強制変換』チェックボックスが操作可能になるが、これを有効にしたとき使われるのも【sRGB-elle-V2-srgbtrc】。どうも相当オススメらしい。

ただし、あらかじめ【sRGB IEC61966-2.1】に変換しておいたにも関わらず、勝手に【sRGB-elle-V2-srgbtrc】にすり替えて保存するのは PNG での保存時のみ。JPG やTIFF で保存した場合には指定通り【sRGB IEC61966-2.1】が埋め込まれる。オススメが強引な割には軸がブレている。

あと Krita 3.0 アルファ第 2 版は自分が作成した TIFF ファイルを自分で開くことができないみたいだけどわたし期待してますから。